2025/4/25
🇦🇺アデレードから見るANZAC Day──記憶を受け継ぐ、静かな祝日
こんにちは。
本日4月25日はANZAC Day(アンザック・デー)。
オーストラリア全土で祝日となるこの日、アデレードの街もいつもとは違う、静かで厳かな雰囲気に包まれます。
ANZAC Dayとは?
ANZACとは「Australian and New Zealand Army Corps(オーストラリア・ニュージーランド軍団)」の略。
1915年、第一次世界大戦中のガリポリの戦いで命を落とした兵士たち、そしてその後すべての戦争や紛争で犠牲になった人々を追悼する日です。
戦争の記憶を風化させないために、毎年この日には全国各地で追悼式が行われ、多くの人が「レスト・イン・ピース」の気持ちを胸にこの日を過ごします。
アデレードのANZAC Day
アデレードでは、早朝から**Dawn Service(夜明けの式典)が開催されます。
まだ暗い朝5時過ぎ、街の中心部にあるNational War Memorial(戦争記念碑)**前には多くの人々が集まり、静かに祈りを捧げます。
現地の学校の生徒たちや退役軍人、その家族、そして地域住民が集まる姿はとても印象的で、「歴史を受け継ぐ」という意識が地域全体に感じられる瞬間です。
街の様子と人々の過ごし方
この日、アデレード市内の多くのお店やカフェは午前中に閉店、もしくは営業を遅らせます。
スーパーも営業時間が短縮されるため、前日に買い物を済ませておくのがローカルの定番です🛒
午前中の式典が終わると、人々は家族や友人とピクニックをしたり、ビーチを散歩したりと、ゆっくりとした時間を過ごします。
また、RSLクラブ(退役軍人支援団体)では「Two-up(ツーアップ)」という伝統的な賭けゲームが行われるのも、この日ならではの文化です。
心を込めて──レッドポピーの意味
ANZAC Dayの象徴のひとつが**赤いポピーの花(レッドポピー)**です。
これは戦地で咲いていた花であり、「忘れない」というメッセージを持つ重要なシンボル。
当日は多くの人がこのポピーのバッジを胸につけて追悼の意を表します。
最後に
ANZAC Dayは、ただの祝日ではなく、「過去を忘れず、未来に伝える」特別な1日。
アデレードに住んでいると、この歴史と人々の思いが、日常の中に静かに息づいているのを感じます。
もしこの時期にアデレードを訪れることがあれば、ぜひ早朝のDawn Serviceに足を運んでみてください。
その空気感の中で、きっと何か大切なものが胸に残るはずです。